絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 タルト台にはまず、バニラビーンズがほんのりと香るクリームがたっぷりと敷かれ、その上に真っ赤に色づいた大きな苺にツヤツヤのマスカット。太陽の光をいっぱいに浴びて育ったマンゴーとオレンジ。他にもカラフルなフルーツが何種類ものっていた。
 さらに色とりどりのフルーツは皆、薄くジュレのベールを纏い、一層艶やかに輝いて見る者を魅了した。
 はわわ。おいしそう……!
 ゴクリとひとつ唾を飲み込んで、わたしはさっそくひと口大にカットされたタルトを頬張った。
 うわぁああ~、口の中が天国!
 噛みしめる度、ザクザクと香ばしいタルト生地、優しい甘さのクリームと弾ける果汁が出会い、混ざり合い、そして絶妙なハーモニーを奏でだす。
 わたし用のワンカットは小さいから、カットごとに違うフルーツの味わいが楽しめるのもうれしかった。
《ふみゃ~っ(ん~っ、おいしかったぁ~!)》
 完食したわたしは、パンパンのお腹さすりながら、大満足でホゥッとひと息ついた。
「満足したか?」
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