【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
「愛莉、愛莉の好きな水色でしょ? どうかな……?似合う?」
写真の中の愛莉は笑っているけど、本当の気持ちは分からない。
でも、愛莉ならきっと「似合ってる」と言ってくれるはずだ。
愛莉は優しい人だから、そう言ってくれるに決まっている。 愛莉はきっと、私のウェディングドレス姿を「世界一キレイだね」と褒めてくれるはず。
「ねえ、裕太さん」
「ん?」
「今日という日がくるのって、奇跡だよね。 毎日を、ずっと何気なく過ごしてきたけど……。それが当たり前じゃないってことに気付いてから、本当に毎日が奇跡の連続だなって感じてるんだ、私」
愛莉がいなくなったあの日から、私はそう気付かされている。 私がこうして生きていけるのは、愛莉のおかげでしかない。
だから私は、愛莉がくれたこの奇跡をずっと忘れたくない。 ずっとずっと、忘れない。
愛莉が残してくれた大切な命を、私はこれからも大切にして生きていく。 裕太さんと二人で、この奇跡を噛み締めながら生きていくんだ。
「そうだな。毎日が奇跡だな、俺たちは」
「うん。……愛莉に、感謝しなきゃだね」
「そうだな」
私たちの夫婦としての物語はまだ始まったばかりだけど、この奇跡を大切にしながら、私たちは夫婦としてこれからも歩んでいく。
愛莉という存在を、忘れないためにーーー。