【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
「愛南ちゃん、いつものお客様、今日来たいって電話あったよ?」
「そうなんですか! 分かりました」
いつも私を指名してくれる女性のお客様がいるのだけど、毎月一回は必ず来てくれるんだ。
私のことを気に入ってくださって、必ず私がいる時に来てくれるんだ。
そのお客様は、いつも私に「ありがとう」と言って帰るから、私もいつもありがたいなって思う。
あのお客様がいなかったら、私はきっと美容師を辞めていたかもしれない。
「いつも愛南ちゃん指名だから、他の人はダメみたいなんだよね」
「嬉しいです。 あの方にはいつも、支えてもらっているので」
あのお客様は私にとって、ありがたい存在だよ。私を励ましてくれたりするし、私のことを本当にいい美容師さんだと言ってくれるんだ。
「良かったね、愛南ちゃん」
「はい。 私、もっといい美容師になれるように頑張ります」
「ん、いい心意気だね。その調子で頑張って」
そう言ってくれる店長の真坂(まさか)店長が応援してくれるっていうのも、頑張れる理由の一つかもしれない。
だから私には、どんなに大変でも頑張れる理由がある。