一途な部長は鈍感部下を溺愛中
朝は早速決意が破綻してしまったから、今だけはせめて、向こうが逸らすまで逸らさないぞ……!
そう意気込んで、無言のまま私を見つめてくる綺麗な瞳を負けじと見つめ返す。
どれくらい時間が経ったのだろう。
一瞬のようにも、永遠のようにも思える時間。でも着実に恥ずかしさは募り、じわじわと頬が熱くなる。
だんだん汗まで滲んでくるようで、そろそろ何か言うか目を逸らすかしてくれ……! と思いながら羞恥を堪えるように下唇をぎゅっと噛む。
すると、それまで真顔に近かった部長の口元が、思わずといったように緩んだ。
「フッ……かわい」
「!?」
呟くような、独り言のような声だった。
だけど聞き間違いじゃなければ、今、「かわいい」って……!?
いやそんなまさか。と思いつつ、緩んだ口元を手の甲で隠しながらも、視線に笑みを乗せる部長から目を離すことが出来ない。
でも、今可愛いって言いました? とか訊けるわけが無い。
部長のせいで一気に耐えられなくなってしまった。急速に全身が熱くなっていく。