一途な部長は鈍感部下を溺愛中
それから、サッと視線を逸らされてしまって首を傾げ……ハッとした。
(急に笑うなんて、失礼だったかもしれない! 気を悪くしたかな……!?)
一度そう思ってしまうともうそれゆえの反応としか思えなくて、ザアッと血の気が引く。
「すすすすみません! 失礼でしたよね……!」
不快にさせてごめんなさい、と心の中で土下座しながら、これ以上罪を重ねる前にと出口へ一歩踏み出す。
「……待って!」
しかし、ぺこぺこと頭を下げながら西村さんの横を通り過ぎようとしたその時、行く手を西村さん本人に阻まれてしまった。
横から素早く伸びてきた腕に通せんぼされた私は、つんのめりながらもその場で立ち止まり、西村さんを見上げる。
するといつの間に顔を上げていたのか、こちらを真っ直ぐに見つめる視線とぶつかってしまった。
やけに真剣な色を灯す黒玉に、わけも無く緊張が走る。
唇をぎゅっと引き結んで、少し強ばった表情を貼り付ける西村さんに、やっぱり怒ってる……? と不安になった時、「……ごめん」と呟きが落ちた。
「え?」
「ごめんなさい。俺、大分怪しいよな」
「えっ、いや、こちらこそ……?」