一途な部長は鈍感部下を溺愛中
怪しい……?
「俺、佐藤さんのファンなんだ」
「……………………………えっ!?」
えっ、聞き間違い?
突然の告白にポカンとする私に、西村さんの眦がじんわりと染まった。
頭の片隅に、青い鳥のマークと「ファン #とは」の文字が浮かぶ。
「佐藤さん、前は受付のお姉さんだったよね」
「あっ、はい」
頭の上に幾つも浮かんでいたクエスチョンマークが、その言葉で霧散した。
「毎朝さ、笑顔で挨拶してくれたのがすごい印象的で……」
「あ、ありがとう、ございます……」
笑顔での挨拶は当時心掛けていた事だったから、そう言って貰えると嬉しい。
でも改めてこんな風に面と向かって褒められると照れくさいような、気まずいような。
それは西村さんも同じだったのか、二人してモジモジしながら俯いてしまう。
やがて、ぽつぽつとまた西村さんが言葉を紡ぎ始めた。
「いつか話しかけたいな。今日こそ話しかけよう、って、ずっと思ってて……思ってる内に、いつの間にか見かけなくなったから最初は驚いたんだ。
でも、正社員で登用されたって知ってさらに驚いた。……人事はわりかし関わりのある部署だったけど、佐藤さんと直接話す機会は中々来なくてさ」