一途な部長は鈍感部下を溺愛中



言葉を詰まらせたのをどう受けとったのか、すっかり茹だった顔で、西村さんは口を開いた。


「この間のお礼も兼ねて、よければ今度ご飯でもどう……ですか」

「えっ、」

「……嫌?」


首を傾げ、こちらを窺うように目を合わせてくる西村さん。


嫌か、と言われてしまうと、嫌なわけではない。でも、異性から食事に誘われるなんてほとんど経験が無かったから、どう応えるべきなのか決めあぐねている。


それに、多分、勘違いだったらとっても恥ずかしいけど、きっと私にそれなりの好意を持ってくれてる……、って、こと、だと思う。


私と部長の関係が曖昧なのはひとまず置いといても、こんな状況で、高確率で自分を好いてくれている別の男の人と二人きりでご飯……は、正直、どうなんだろう。


私だったら……嫌だろうな。

部長が他の女の子と二人きりでご飯に行くところを見てしまったら、きっと悲しくなる。


だから……うん。やっぱり、ちゃんと断ろう。


そう決心し、顔を上げた時。


「──居るよな?」


突然放り込まれた第三者の声。

西村さんの後ろに現れたのは、不敵な笑みを携えた東雲部長だった。



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