一途な部長は鈍感部下を溺愛中
「えっ」
「まあ、今日が無理なら明日、それが無理なら明後日、になるだけだが……どうする?」
逃がさないぞ、と聞こえるようだった。
もう何から逃げたいのか、自分でも分からない。ただ、部長が怒っていることだけは確かだった。
……でも、丁度いいのかもしれない。
私も、ちゃんと確認しなきゃと思っていたし。
「わ、分かりました」
ゴクリと唾を飲み込み、一呼吸置いてから部長を見上げる。
「今日の夜……お願いします」
私と部長の関係について、きちんと確認するんだ。
──と、思っていたのだけど。
「ここ最近、君とまともに話してない気がするなあ」
「す、すみません」
「挨拶するだけで逃げられるしなあ。悲しかったなあ」
「…………すみません」
確認も何も、開幕からチクチクと針でつつかれ、私はもう虫の息だった。
あの後、仕事終わりまでは特に話しかけられることも無く、誘われたのは夢だったのかな? と思うくらいだった。
だけど、定時きっちりで仕事を終わらせた部長に綺麗な笑顔で「じゃ、行くか」と近くの日本料理店に連れてこられて早二十分。