一途な部長は鈍感部下を溺愛中
雰囲気の良い個室に閉じ込められ、私は拗ねたようにこちらを非難する部長のお言葉を、頭を下げながら受け止めていた。
こんな状況で、「私と部長って……どういう関係なんですか!?」とか言えるわけが無い。
早く料理来ないかな……と半泣きで祈っていると、私を責める言葉が止んで、変わりに吐息のような笑い声が聞こえてきた。
俯いていた顔を恐る恐る上げると、さっきまでの不機嫌な顔はどこへやら、口元を緩めてこちらを見つめる優しい眼差しとぶつかる。
その変化にびっくりして目を瞬くと、「いや、」と部長が微かに視線を逸らした。
「悪い、苛めすぎたな。そんなに怒ってないから、謝らなくていい」
……そんなに、ってことは、少しは怒ってるってこと?
素直には頷けず、困惑したまま窺っていると、ふう、とため息をついて部長が頬杖をつく。
そして、もう片一方の手をこちらに伸ばすと、私の髪を指先で手遊びはじめた。
毛先をくるんと巻き付けては解く、を繰り返す長い指が時々身体に触れて、ドキドキしながら固まる。
「正直、俺の事を意識しすぎて顔を真っ赤にしながら逃げ回る様子が可愛くてな……ちょっと放置しすぎたな」