一途な部長は鈍感部下を溺愛中


だからそっちも食べてください、と強い念を送れば、「……分かった、分かった」と部長は残念そうに眉を下げた。


「恥ずかしがる君もそれはそれで一興だが、あんまり苛めて嫌われでもしたら立ち直れないからな」


そう言って部長もフォークを手に取る。


「……これを食べ終わったら、渡したいものがある」


呟くような声だった。私は顔を上げて、一口目を飲み込んで、考える。


今日はクリスマス。なら……。


「私もあります! 渡したいもの……」


クリスマスといえばクリスマスプレゼント。実は先週の休みに無理やりゆかりを召喚して、プレゼント選びに付き合ってもらっていたのだ。


慣れない場所に緊張しきってすっかり忘れていたけれど、ちゃんと大事に鞄に忍ばせてきている。


プレゼント交換って、何歳になってもワクワクするよね。部長のお眼鏡にかなうといいんだけど……。


そう思いながら部長を見ると、何故か部長はまた、どこかぎこちなく表情を強ばらせていた。


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