一途な部長は鈍感部下を溺愛中
喉を鳴らして笑った部長が、私の手を恭しく持ち上げ、もう一方の指先でリングを手に取ると、私の薬指にゆっくりと通していく。
綺麗に付け根まで通った指輪は、まるで初めからそこにあったかのように、あっという間に私の指に馴染んだ。
「綺麗……」
自然と、感嘆の声が漏れる。
角度を変えるごとに、宝石の虹彩が虹のように輝いて目を奪われた。
しばらくうっとりと光に透かして眺めていると、「……よかった」と安心したような声が聞こえてきた。
綺麗な輝きの向こうで、部長が眩しそうに目を細め、慈しみに満ちた視線を私に送っている。
その視線の優しさに私は少し恥ずかしくなり、浮かれていた気持ちを抑えるように手を下ろす。
でも、折角の指輪を陰には隠したくなくて、テーブルの上に添え置いた。
「本当に、嬉しいです。私には勿体ないくらい……ありがとうございます」
「勿体ないなんてことは無いさ。こちらこそ受け取ってくれてありがとう」
実はちゃんと自分の分も持ってきてるんだ、と部長は胸ポケットから揃いのリングを剥き身のまま取り出してみせる。
そのまま自分の右薬指に通しながら、部長は続けた。