一途な部長は鈍感部下を溺愛中
「何で今日は、そんな可愛いことばかり言うんだ……?」
「恥ずかしいので、やめてください……」
一々そういう感想を言わないで欲しい。
眉を下げた情けない顔で視線をあげると、同じような顔をした部長と目が合った。その頬がほんのりと朱く染まっている。
「君がそうこちらの心を射抜く度、俺はますます君に惚れ込んでいるんだが、分かってるのか」
「わ、」
分からない。それは。
最終的に、「底なし沼のようだな君は」と言われ、それは褒めてるの……? と腑に落ちない気持ちになるのだった。
「──ところで」
お互いのプレゼント交換も終わり、テーブルの上もすっかり片付けられた頃。
周りのお客さんも次第に少なくなり、夢のような時間もそろそろ終わりだろうか、と寂しさが心に生まれた時。
部長から声をかけられ、私は首を傾げながら見つめ返した。
「はい」
「実は、このホテルの一室を予約してある」
そう、卓上を滑らせるように置かれたのは、一枚のカードキー。
「君さえ良ければ、だが……どうする?」