一途な部長は鈍感部下を溺愛中
ショックすぎて頭痛までしてきたや……と頭の隅で苦笑しながら、私は目の前の画面に集中した。
その日は、ボロボロだった。
何故か仕事に集中出来ず、焦る気持ちとは裏腹に仕事が進まない。そうこうしている内に定時のチャイムが鳴り、張り詰めていた空気が一瞬霧散する。
ここの会社は基本的に残業ゼロを目標として掲げていて、特に人事部である私たちは、なるべく残業をしないように東雲部長からも言い含められている。
真っ先に「終わった〜」と伸びをしたのは横山くんで、でもパソコンの電源を落とそうとした手を止め、向かい側からこちらを覗き込んでくる。
「さっちゃんは残業?」
「うん、少しだけ……」
「珍しい。手伝うよ」
「え!ううん、私の仕事だから!少しだし大丈夫だよ、ありがとう」
私が集中出来てなかったせいで進まなかった仕事を、まさか手伝わせるわけにもいかない。
横山くんは暫く渋っていたけど、私の意思が固いと見ると、ひとつため息をついて帰り支度を始めてくれた。
「さっちゃんて変なところで頑固だよね」
「そ、そうかな。あはは」
「すーぐ笑って誤魔化すし」