一途な部長は鈍感部下を溺愛中
「君のそういう真面目で健気な所も好きだが、たまには俺のことも頼ってほしい」
「え……」
「……って、上司に言われたところで、中々そう簡単にはいかないよな。昨晩から何も食べてないから腹空いたろ。少し待ってなさい」
突然の爆弾発言に呆気にとられている内に、東雲部長が部屋から出て行ってしまう。
い、今、好きって言った……?
勿論、部下としてってことは分かってる。でもまさか、衒いもなくそんなことを言われるとは思ってもみなくて、じわじわと頬に熱が生まれた。
「し、心臓に悪い……」
いつもよりも近い距離も、柔らかい雰囲気も、何もかもが慣れなくて。
うぐぅ、と言葉にならないうめき声をあげながら、私はふかふかのベッドに倒れこんだ。
「下がったとはいえ、まだ微熱だな……」
私が渡した体温計に目を落とし、東雲部長が渋い顔になる。
私は部長の手作りだという卵粥を蓮華で掬いながら、部長の言葉に目線だけで応えた。
このお粥も土鍋で出てきて、桜模様の可愛らしい取り皿も付いてきたときには、こんなお洒落な道具が揃っていることにも、料理が出来ることにも驚いてしまった。……と、まあそれは置いといて。