一途な部長は鈍感部下を溺愛中
突然の刺激にギュッと目を瞑っていると、そのまま指先で頤を掴まれ、顔を上げさせられる。
(ひえ~~~、なに~~~!?)
もう、さっきから近すぎる距離と、こちらに溶け込んでくる体温にオーバーヒート寸前で、視界が滲みだすのを自覚しながら、薄っすらと瞼を持ち上げた。
「……嫌がってるわけでは、ないよな」
目を開けたと同時、飛び込んできたのは真剣な顔をした部長の顔で、そのまま意識を失ってしまいそうになる。むしろ、失ってしまえたら楽だったのかもしれない。
「なあ、君──」
「す、すみません! 手伝っていただいてありがとうございました! あの、先戻りますね!!」
も、もう無理!
これ以上東雲部長のイケメンオーラを浴びたら死んでしまう!
自分の生命の危険を感じた私は、顔を勢いよく引いて部長の手から逃れその場からの脱走を試みる。
慌てすぎて顔を引いたときに後頭部を壁にぶつけたし、転げるように給湯室から出た時に躓いたりしたけど、そんな痛みはもう気にならなかった。
小走りで逃げ出し、一旦心を落ち着かせるために女子トイレに飛び込む。