一途な部長は鈍感部下を溺愛中



俺に出来ることなら、いや、出来ないことだとしてもなんとかしてみせるから──まるで祈るように捧げられた切実な声色に、濡れた双眸。


情けない。そう思った。

私が悪いのに。部長も、会社の人の誰も、何も悪くないのに。


勝手に空回って、横山くんにも、部長にも迷惑かけて。部長に、こんな顔をさせてまで、私は何がしたかったんだろう。本当に情けない。


「違うんです! 本当に、今の仕事に不満があるとか、どうしても異動したいとか、そういうことじゃなくて……」

「なら、どうして」

「……ちょっと、事情がありまして。でも、やっぱり居心地が良いこの部署から離れたくないなって、今改めて思いました」


部署異動してもこんなに居心地の良い環境が続くとは考えにくい。


ならやっぱり、私はここに居られる方法を見つけたい。


「……その事情とやらは教えてもらえないのか」

「……すみません。でも、必ず解決させるので少し時間をくれませんか」


時間? と形の良い眉が顰められる。


「どのくらいだ?」

「えっとそうですね……二週間……や、やっぱり一か月で」


そう人差し指を立てると、幾分か血の気の戻った綺麗な顔が険しさを増した。



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