一途な部長は鈍感部下を溺愛中
息をするのも躊躇われるほど、鋭く冷たい言葉。
さすがの彼女たちも紅潮していた顔を僅かに蒼くさせ、その場でフリーズしていた。そして私も、転びかけた私を抱きとめるように助けてくれたのが東雲部長だと分かり、別の意味でフリーズしている。
絶対に顔をあげられないし、なんならこのまま意識を失ってしまいたかった。
あのご尊顔が顔を上げたらすぐそこにあるのかと思うと、身体中から変な汗が吹き出そうだ。
女の子たちが何も言えないでいると、東雲部長は私をゆっくり抱え起こし、その場に立たせてくれる。
「怪我は無いか?」
その言葉にブンブンと頷くと、「やっぱりエレベーター使うか」とまだ固まったままの女の子たちを置いて、私の腕を引きエレベーターへと向かってしまう。
困惑しながら横山くんを見ると、横山くんは苦笑しながら肩を竦めたのだった。
……私たちは知らない。
東雲部長が去った後、「……怒ってる顔も超カッコイイ〜!」と彼女たちが騒いでいたことなど。