一途な部長は鈍感部下を溺愛中
「……私だって、部長に嫌われたくないんです」
「俺が君を嫌うなんて、天地がひっくり返っても有り得ない」
淀みなく即答した部長の言葉に、カッと血が上る。
「嫌いになります……!」
だって私は、貴方が一番嫌いな女になろうとしてるんだから。
私の勢いに部長は少し仰け反り、しかしすぐに真剣な、そして少しだけ怒ったような顔で私の手を両手で包み込んだ。
「ならない。神に誓ってもいい。例え君が俺を嫌っても、俺は君を嫌いになれない」
「そん……!」
そんなわけない。そう反抗しようとした言葉は、吸い込まれてしまった。
柔軟剤と、ほのかな香水の香りが強くなる。鼻先に、滑らかなワイシャツの生地が当たっていた。
「ぶ……!」
「どうすれば信じてくれる?」
抱き寄せられたということに気付き、反射的に離れようとした身体ごとぎゅっと抱き込まれる。
「本当に、君を嫌いになるなんて有り得ないんだ。どんな言葉を尽くせば、君は安心してくれるんだ」