一途な部長は鈍感部下を溺愛中
そう血を吐くように唸った部長が、やがて少しだけ力を緩め、私の肩を掴んだまま僅かに離れた。
ゆらゆらと、水飴のような瞳が悩むように揺れている。
吸い込まれるような綺麗な瞳が一瞬だけ逸らされ、そして戻された時、もう揺らぎは残っていなかった。代わりに、何かを決意したような光が私を貫く。
「本当は、こんなタイミングで言うつもりじゃなかったんだが……」
「え?」
「君に避けられたんじゃ黙ってる意味も様子見してる場合でもないし、仕方ないよな」
何を、と問う前に、淡く微笑んだ部長にまた両手を包まれる。
「──好きだ」
そして放たれた言葉を、すぐには理解できなかった。
頭が真っ白になり、何も言えなくなる。そんな私の様子をじっと見つめながら、薄い唇は言葉を紡ぎ続けた。
「君が何故俺を避けようとするのかは分からない。こんな状況で言うことじゃないことも分かってる。でも、このまま話せなくなるなんて、そんな後悔は残したくない。……そんなことになるくらいなら、俺の全てをさらけ出す」
止まっていた心臓が動き始める。
ドクドクと心臓が煩く鳴り始め、じわじわと血がめぐり身体中が熱くなるようだった。