一途な部長は鈍感部下を溺愛中
「だから、君の全てを受け止めさせてくれないか」
そんな、等価交換みたいな。
あまりにも一方的な交渉だ。でも私はそれどころじゃなくて、部長から発せられたたった三文字の言葉が今も処理しきれていなくて、ただただ呆然と彼を見ることしか出来ない。
何も言わない私に、部長は怪訝な表情になり、へにょりと眉を下げながら握った私の手を揺らした。
「……これでもやっぱり駄目か? ずっと君が好きだったんだ。だから、君に嫌われたくないし、君を手元に置いておきたい。その為なら何だってする、できる。嫌なところがあるなら、それも直すから……」
「ちょ、ちょっと待ってください……」
だめだ、全然理解が追いつかない。
混乱しすぎて、怒りも、辛さも、悲しみも、全部吹っ飛んでしまった。
「す……そ、それって、部下として、ですよね? それはあの、十分に伝わっていて……」
「……全然伝わってないな」
好き、という言葉を反芻することは出来なくて、誤魔化したまま確認すると、部長の表情がストンと落ちる。