一途な部長は鈍感部下を溺愛中
「……で、でも」
恐る恐る口を開くと、まだ言うか、とこちらを牽制するような視線が飛んでくる。
だけどこれは大事なことで、だからこそ確認せずには居られなかった。
「でも、部長は女の人が嫌い……なんですよね?」
祈るような声になってしまった。
まるでそうであってくれと願うような。そうであられたら困るのは私だというのに。
「……俺が君を邪険に扱ったことがあったか?」
「……私のことは、ただの部下としてしか見てないんだと思ってました」
だから、少しでも女を感じさせないよう必死だった。
だけど、私の言葉を聞いた部長は苦笑しながら俯く私の頭を撫でた。
「俺からしたら、佐藤のことはいつだって大切な女の子でしか無かったよ。……上司としては失格かもしれないけどな」
もう、項垂れるしか無かった。
これまでの時間は何だったのかというやるせなさと、実感とともに少しずつ浸透してくる喜び。
自分がもうどんな顔をしているのか分からなくて、見られたくなくて、片手で顔を覆う。
そんな私を暫く忍耐強く待っていた部長だったけど、やがてそわそわとしたように私に声を掛けた。