よるの数だけ 守ってもらった
明けない夜が迫ってくる。
だれにも追いつかれたくなくて、走って、跳んで、繰り返して、だれよりも練習した。
これって意味があるのかな。
だんだん足元から闇に浸かってく。
「そら子先輩が頼ってくれるなんてうれしいです」
「いつも頼りにしてたじゃん。気づいてなかった?」
「ええっ、そうだったんですか!?」
何度嘘をついても隼奈は気づかないしたぶん気にしていない。
彼女のなかにある余裕が、わたしには無いもの。
「そら子先輩ってどうしてハイジャンをはじめたんですか?」
「小学生の頃に一等賞をとれたのが高跳びだったから」
「カッコイ〜!私は鳥とか飛行機とか高く飛べるものに憧れてはじめました!」
嫌いだなあ。
「だから私、そら子先輩にも憧れてるんです」
いつか自分のほうが跳べるようになるのに?
そうなるってわかっているはずのに。
わたしはもう、自分のちからじゃ、イチナナヨンを超せない。
この人は逃げたんだって
思っているから溢れたせりふ。
半歩先を歩く短く切り揃った髪が揺れる。
なんで、わたしだったんだろう。
なんでわたしなんだろう。
なんでわたしだけが ────