よるの数だけ 守ってもらった
「だけど、それを言い訳にしてるのかもしれない自分が、いちばんいやで…………」
あの記録を出せたのはたった1度きり。
越そうとしても、自分でつくった壁が高すぎる、なんて愚かだ。
ただ苛立ちをぶつけるためだけに、悠々と飛ぶ鳥に手をかけた。
そんなことでそんなことしちゃう自分が、
悍ましくて、だけど寄りかかりたくなる。
跳べなくなった自分。
跳べなくなるきっかけをつくった事故。
跳べるわたしが当たり前なさね先輩。
跳ぶことでさね先輩の特別になった気でいたわたし。
全部くだらない。
「僕は鳥羽さんが高跳びをしていたからすくわれたけれど、跳ばないようになった鳥羽さんだから、触れたいって思った」
くだらない。
だけど、ほんとうは、夢中で跳んで真っ直ぐでいれたころの鳥羽そら子がこいしいよ。