よるの数だけ 守ってもらった


たぶんこのひとの言葉には、願望も込められているのだと思う。


自意識過剰や見当違いでないかぎり、今の話は、高く跳べていたわたしのちっぽけな行動が如月初雪と知らず知らずのうちに関わっていたという話で、

物を届けてくれたひとが優しくないわけがないと、このひとは思い込みたいだけで、


わたしなんて、

わたしなんて、どうしようもないんだよ。


自分以外どうだっていい。


さね先輩が傷ついて帰ってこようが、わたしのことをずっと特別だと思ってもらいたかった。

自分を慕ってくれる後輩のことが疎ましくて、妬ましくて、同じ目に遭ってくれたら自分の気が楽になるんじゃないかと思った。

ミナの彼氏のプレゼントなんてどうだってよかったし、

如月初雪がどんなうわさを流されようが、本当にくるしんでいようがどうでもよくて。
むしろわたしと同じように絶望を知っているひとな気がして、キスをした。



ただ目障りで、

いのちを奪った。何度も、何度も。



「僕は鳥羽さんに、すくわれたんだ。僕にとってはそれがすべてだよ」


如月初雪もわたしに劣らず、自分本位だね。



「鳥羽さんが高跳び選手だったのは僕をすくうため。もう僕はすくわれたから、きみは、好きにしたら良いんだよ」



ぜんぶ、全部、わたしへの気持ちが込められていて、
自分のことをもっと考えなよって、思った。


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