ママの手料理 Ⅱ
彼女達は元は普通に生活をしていた女子高生の1人だったはずなのに、洗脳を受けた結果、言動が完全に笑美の様になってしまっている。


1度身に染み付いたそれは取り除くのが難しいから寛容に受け止めているけれど、それにしても悲観的過ぎないか。


ですが…、とか、そんな図々しい真似…、とか言っている彼女達に、


「言えば何とかなる!大丈夫だから、俺を信じて!ね!?」


客が居るにも関わらず、俺は大声を出して会話を強制終了させた。




「“大丈夫だから、俺を信じて”……」


俺の言葉を聞いて、紫苑ちゃんが首を傾げたのが分かった。




「何ですかこのドラマ?」


「これね、冬に皆で観てたホラードラマだよ。“せめて、人間のままで死にたい”ってやつ」


夕飯の後、俺達は暇を持て余していた。


バイトがない俺は湊と食器の片付けをしていて、テレビの前では紫苑ちゃんと仁がずっと前に観ていたドラマを観ながら話していた。


「ホラー?」


前もホラー系が苦手だと言っていたからか、彼女は不安そうな顔で仁さんに尋ねる。



全員が退院してから観始めたこのドラマは、かなりグロくて血飛沫等のシーンも多いものの、そこに絶妙なバランスで恋愛要素も取り込まれている為、紫苑ちゃんも楽しんで観ていた。


そう、誘拐される前までは。
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