ママの手料理 Ⅱ
「感情って、表現出来るだけでも素晴らしいと思っていたんですが…極端にマイナスの感情を表さないのも駄目なんですねぇ…」
絶賛意見募集中の俺の隣で、色覚調整眼鏡を掛けた男子が体育座りでしみじみと呟いた。
「そうだね、逆に無理させてるのかも?って心配になるし」
俺が相槌を打つと、
「…なら、何の感情も出せない僕って駄目駄目じゃないですか」
航海は、何の感情も持ち合わせていない顔で俺を見てきた。
航海は、昔の虐待の影響で感情を上手く表すことが出来ない。
俺は彼が泣いたところを1度も見た事がないし、いつものぎこちない笑顔だって彼の努力の賜物だ。
今でこそ声色の変化で彼の気持ちが分かるようになってきたけれど、此処にやって来た当初の航海はまるで人形だった。
無口の上泣かないし笑わない、たまに口を開いたかと思えば『ごめんなさい』『殺さないで』の一点張り。
生まれつき目に異常があって色を知らないのも相まって、最初は彼とコミュニケーションをとるのも至難の業だった。
「いや、航海は駄目駄目じゃないよ。俺は航海の気持ち分かるし。俺らは、遠慮して自分の気持ちを出さない事について困ってるだけだから」
彼を安心させるように笑った俺がバシンとその肩を叩くと、まあ知ってましたけどね、と、彼は真横に唇を広げた。
絶賛意見募集中の俺の隣で、色覚調整眼鏡を掛けた男子が体育座りでしみじみと呟いた。
「そうだね、逆に無理させてるのかも?って心配になるし」
俺が相槌を打つと、
「…なら、何の感情も出せない僕って駄目駄目じゃないですか」
航海は、何の感情も持ち合わせていない顔で俺を見てきた。
航海は、昔の虐待の影響で感情を上手く表すことが出来ない。
俺は彼が泣いたところを1度も見た事がないし、いつものぎこちない笑顔だって彼の努力の賜物だ。
今でこそ声色の変化で彼の気持ちが分かるようになってきたけれど、此処にやって来た当初の航海はまるで人形だった。
無口の上泣かないし笑わない、たまに口を開いたかと思えば『ごめんなさい』『殺さないで』の一点張り。
生まれつき目に異常があって色を知らないのも相まって、最初は彼とコミュニケーションをとるのも至難の業だった。
「いや、航海は駄目駄目じゃないよ。俺は航海の気持ち分かるし。俺らは、遠慮して自分の気持ちを出さない事について困ってるだけだから」
彼を安心させるように笑った俺がバシンとその肩を叩くと、まあ知ってましたけどね、と、彼は真横に唇を広げた。