ママの手料理 Ⅱ
「怪盗パピヨンの飴の解毒薬はまだ出来ないの?」


気を取り直した俺が銀子ちゃんに尋ねると、彼は首を横に振った。


「琥珀が署で調べてるが、何の成分を使えば解毒薬になるかすら分かってねぇからまだだな」


俺は大きく息をついた。


「…じゃあ、いつまで紫苑ちゃんはこのままなんだろ?銀子ちゃんだって、紫苑ちゃんから避けられてるの気付いてるでしょ?前はこんな事無かったのに」


「俺は嫌われてない」


(…ふ、)


半ば噛み付くように銀子ちゃんに突っ込まれ、俺はその台詞を聞いて笑いだしそうになるのを必死に堪えた。


「そうだけどさ。けどいつまでもこんな関係なのは嫌でしょ?1回皆でちゃんと話した方がいいのかなとか思うけど、いちいち誘拐される前の話を持ち出したところで紫苑ちゃんを混乱させるだけだと思うし…」


紫苑ちゃんに余計なストレスやショックを与えたくないけれど、俺の小さな脳みそではいい案が思い浮かばないのだ。


一息に言い終えた俺が2人の顔を見回すと、航海が頷いてからそっと手を挙げた。


「紫苑さんのスマホのパスワードは解けたんですか?もし解けてるのなら、中にあるメッセージ履歴を読んでもらうのはどうでしょうか」
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