ママの手料理 Ⅱ
「まじでどうしたらいいと思う?俺は紫苑ちゃんに元に戻って欲しい。2人も同じ事思ってるでしょ」


気を取り直した俺が呼び掛けると、そうですね…、と、床に寝そべった航海が気の抜けた返事をしてきた。


こいつ、もう考える気がないらしい。


「……どうしよ」


ああ、高校でもっとしっかり勉強しておけばいいアイデアが思い付いただろうか。


全員が考えるのをやめて黙り込んだ室内で、はあ、と息を吐いたその時。




「…隠れんぼ、したらどうだ」


ノックもなしに部屋のドアが開き、ムスッとした顔の現役警察官が顔を覗かせた。


「うおっ!…おい驚かすなよ、何しに来たんだお前」


ドアの近くであぐらをかいていた銀子ちゃんが驚いて仰け反り、そのままの姿勢で琥珀を睨みつける。


「お前、今死ぬ程不細工な顔してんぞ」


上アングルきも、と、琥珀は銀子ちゃんをじろりと見て苦虫を噛み潰したような顔をした。


「銀河さんの顔が不細工なのは知ってます。琥珀さん、急にどうしたんですか?」


「お前もっかい言ってみろぶっ飛ばすぞ」


床に寝そべったまま体勢を変えて酷すぎる発言をした航海に、すかさず銀子ちゃんがドスを効かせる。


「いや、隠れんぼしたら良いんじゃねーの?って提案しに来た」


そんな可哀想な天才ハッカーには目もくれず、琥珀は淡々と聞かれた事だけに答えた。
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