ママの手料理 Ⅱ
「…本当にこんなんで記憶戻るのかな?」


鬼が2人、隠れる人が俺達3人に決まった今、俺はどうにも言い表せない不安を零した。


ただの隠れんぼで、紫苑ちゃんの記憶は本当に戻るのだろうか。


しかも、それを一発で成功させないといけないというプレッシャーもかかっている。


「さぁな…ただ、あいつの義兄弟達が隠れてた場所はだいたい知ってっから、お前らも同じような所に隠れろ。再現すんなら細部まで怠らねー方がいい」


ただ、琥珀は俺と違って自信ありげに口を開き、その立ち姿からはやる気満々なのが伝わってきて。


警察官としてのプライドもあるのだろうか。


(プロ意識すご…)


そんな彼に、俺は密かに尊敬の眼差しを向けた。



「…あ、そういえば」


そこで、航海がポンと手を叩いた。


「ずっと前に、紫苑さんが……鬼は、100数えた方が良いと思います。多分、家族の方は数え終わらないうちに亡くなってしまったと思うので」


何かを言いかけて一旦口をつぐみ、重要な部分だけをかいつまんで説明する。


昔に比べて航海も随分成長したな、と思いながら、俺は彼に向かって頷いた。



「そんで、隠れんぼはいつやるんだ?俺達全員が家に居る時がいいだろ」


数秒後、あぐらをかいたまま後ろに倒れ込んだ銀子ちゃんが欠伸を噛み殺しながら聞いてきた。
< 227 / 273 >

この作品をシェア

pagetop