ママの手料理 Ⅱ
その後、銀子ちゃんが他のメンバーに隠れんぼについて話した際にどんな反応があったかは安易に想像できるだろう。
「えー何それー?そんなんで記憶が戻るの?そんなんで?もし戻らなかったらmirageの名に傷がつくし普通に黒歴史じゃん。恥ずかしいから僕は参加しないよ」
仁は蔑んだような目で俺達を見回しながらそう言い切り、
「うーん、やる分には問題ないけど…あんまり紫苑を怖がらせないでね。僕は遠くから見物してるよ。危なそうだったら中止にするから」
心配性過ぎる湊は、渋々といった様子で頷いてくれた。
双方共、この計画がずさんだと思っているからか参加する気はこれっぽっちも無いらしく。
まあ、そう思うのが妥当だろう。
という事で、俺達は隠れんぼ当日をそのずさんな計画のまま迎えた。
「ねえ紫苑ちゃん、ちょっとこっち来て!」
誘導役は、紫苑ちゃんから話し掛けやすい男No.1に認定されているこの俺と航海だ。
店を早めに畳んだ夕方、リビングのソファーに座って宙を眺めながらぼんやりしていた彼女に、俺はそう声をかけた。
ん?、という顔をしながらリビングに来た彼女は、俺の隣にひょろりと立つ航海を見て目を丸くして。
「どうしたの?」
「これから遊びませんか?僕達と“隠れんぼ”しましょう」
「隠れんぼ?」