ママの手料理 Ⅱ
続いて、銀子ちゃんが演技とは思えない程のやる気のない声を上げ、


「100…?」


紫苑ちゃんが、何かに引っかかったのか小さく首を傾げた。


(お願いだから思い出して、!)


2人の鬼も航海も、さりげなく紫苑ちゃんの様子を見ている。


皆、考えている事は同じ。



「…いーち、…にー、…さーん、……」


そして、小さく息を吐いて目を瞑った琥珀が、ゆっくりと数を数え始めた。


「早く隠れましょう」


鬼が目を瞑って壁を向いたのを確認した航海が、計画通り俺達をリビングから連れ出した。



「何してるの、隠れんぼ?家の家具壊したら容赦しないからね」


階段を上る最中、降りてきた仁と遭遇していつもの様に嫌味を吐かれた。


(………)


「邪魔したらただじゃおかないから」


誰にも聞かれないように、彼とすれ違った瞬間に耳元に囁くと。


「…やるからには責任持って最後までやってよ」


同時に、彼が俺の耳にそう囁いてきた。


(……えっ?)


今のは、応援されたと捉えて良いのだろうか。


いやいやそんな事は有り得ない、彼は俺の事を貶すために生まれてきたような人間だ。


今のは都合良く責任転嫁されただけに過ぎない、無駄な事を考えるのはやめよう。
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