炎のシークエンス
それに比べて私は。
理不尽な扱いを受けても、辞める勇気もなく宙ぶらりん。やりがいなんて感じたこともない。

自立して、仕事をバリバリこなすキャリアウーマンになりたかったのに。心も体もボロボロだ。

もう私一人では、どうすることもできなくなってしまっている。



連太郎。炎の中にも恐れず飛び込んで女性を助けたように、こんな私を助けて。
その腕でつかまえてもう大丈夫だと言って。


静かな夜の歩道を照らす街灯の光が涙でにじむ。

ただの幼なじみなのに。連太郎にすがるわけにいかない。

私は一人、冷たい冬の夜風の中、救いを求めて実家の玄関チャイムを鳴らした。







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