炎のシークエンス
連太郎の運転する車は都心を目指す。
後部座席では、母が持たせてくれた沢山の紙袋がかさかさと音を立てていた。
「桃子とは会ってるのか?」
「うん。気晴らしにって、先月一緒に合コンに行った」
「俺も仕事中に大学病院でよく会うんだよ。あいつ、今救急センターにいるんだ。
俺のこと見つけるたびに”赤城さん”なんてスカして呼ぶから、気味が悪くて」
「桃子って仕事とプライベートきっちり分けそうだもんね。どうせ連太郎は桃子のナース姿に鼻の下伸ばしてるんじゃないの?」
「仕事中はそんな余裕ないって。先輩とかは桃子を『光英大学病院のマドンナ』とか言って、誘う口実を探してる」
桃子は昔から大人びていて、美人でスタイルもいいからすごくモテる。でも性格がサバサバしていて、なかなか合う男の子はいない。連太郎はいつも心配してた。
連太郎、昔から大好きだもんね、桃子のこと。