炎のシークエンス
連太郎はずかずかと部屋に入って、光を遮断していたカーテンを開けた。カーテンの向こうは隣の建物の無機質なコンクリート壁。それでもわずかに届く日差しで部屋が明るくなる。
「これなら男の気配でもあったほうがマシだぞ。
心春、こんな生活してたらダメだ、楽しくないだろ」
自分でも分かってる。だけどはっきり言われたら、胸にぐさりとささる。
連太郎はうつむく私の肩を力いっぱいつかんだ。
「本来のお前は笑顔はじける底抜けに元気なやつだ。今ならまだ取り戻せる。戻って来い。桃子も俺も待ってるから」
……その一言が、最後まで意地を張っていた私の背中を押す。
待ってくれる友がいる。私には戻れる場所がある。
大好きな人たちがいる街なら、再出発できるかもしれない。
「連太郎。燃え盛る炎の中でも、人助けの為なら恐れることなく飛び込む勇気を、少しだけ分けてくれる?」
「なんだそれ。俺に出来ることなら何でもするけどさぁ。勇気ってどうやって分けられるんだ??」