炎のシークエンス
シーン5.その手を私に差し伸べて



久しぶりのテーマパーク。平日だから空いていて、乗り物乗り放題。
楽しくてつい何度も絶叫マシンに乗ってしまった。

「やっぱりここの絶叫マシン最高!」
「よかった。それにしても、今日は暑いな」
「私、飲み物買ってくるよ」
「いいよ、俺行く」
「ついでにかき氷食べたいの。自分で選びたいから。連太郎は席取りよろしく」

体力が底なしっていうのも、あながち嘘じゃないかもしれない。でも、少しくらい休んでてほしいと思い、私は一人で売店に行く。

飲み物とかき氷をゲットして、売店前の日陰のテーブルにいる連太郎を探した。

連太郎、腕を胸の前で組んでうつむいてる。

あれ、寝てるよね。
やっぱり仕事明けだもん、疲れてるに決まってる。私の為に無理してくれて。
優しすぎるよ、連太郎。

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