炎のシークエンス
心春は少し考えるそぶりをする。
「私、父さんの仕事の手伝いは好き。手は真っ黒になるし、オイルや塗料のにおいでクサくなるけど、みんなが安心して車に乗れて、万が一の時は頼りにしてくれて、車のことなら任せてって、いいよね」
「お、いいじゃん。心春は手先器用だし丁寧な仕事出来ると思うよ」
器用を体現するために、手のひらを見せて指をわちゃわちゃと動かして見せた。心春はその動きが面白かったのか笑いながら自分の手を見た。
「あ、爪の間に入った汚れがもう落ちない。黒くて汚い手」
「桃子もさ、消毒液で手がガサガサって言ってた。俺も散々マメができては潰れてを繰り返してごつごつの手だし。働き者の手は、みんな悩みだらけだ」
俺は自分の手のひらを心春の手の上に重ねた。心春の手なんてすっぽり隠れてしまうほど大きな俺の手は、皮が固くなってごつごつしてる。
「連太郎の努力が詰まった手だね。触ってもいい?」
「どうぞ」
心春の柔らかな指が俺の手のひらをなぞる。
そのとたん、抑えていた感情が一気に湧き上がってきた。
この仕草はあの夜と同じ……
「私、父さんの仕事の手伝いは好き。手は真っ黒になるし、オイルや塗料のにおいでクサくなるけど、みんなが安心して車に乗れて、万が一の時は頼りにしてくれて、車のことなら任せてって、いいよね」
「お、いいじゃん。心春は手先器用だし丁寧な仕事出来ると思うよ」
器用を体現するために、手のひらを見せて指をわちゃわちゃと動かして見せた。心春はその動きが面白かったのか笑いながら自分の手を見た。
「あ、爪の間に入った汚れがもう落ちない。黒くて汚い手」
「桃子もさ、消毒液で手がガサガサって言ってた。俺も散々マメができては潰れてを繰り返してごつごつの手だし。働き者の手は、みんな悩みだらけだ」
俺は自分の手のひらを心春の手の上に重ねた。心春の手なんてすっぽり隠れてしまうほど大きな俺の手は、皮が固くなってごつごつしてる。
「連太郎の努力が詰まった手だね。触ってもいい?」
「どうぞ」
心春の柔らかな指が俺の手のひらをなぞる。
そのとたん、抑えていた感情が一気に湧き上がってきた。
この仕草はあの夜と同じ……