炎のシークエンス
あぁ、素面だったら絶対に言わないような本音が、ぽろぽろこぼれていく。

連太郎、困ってるだろうな。だめだ。怖くて顔見れない。
私は、残っていたレモンハイを飲み干した。

「さて、振られた憂さ晴らしもしたし、帰ろ。その前にトイレ、いってくる」

いたたまれなくなって、私はトイレに立った。

どうしよう。思わず大好きなんて言っちゃった。酒の勢いで告白なんて、カッコ悪い。連太郎、何も言わなくなっちゃったじゃない。絶対困ってるよ。

連太郎は桃子が好きだって分かってるくせに。なんで告白なんてしたんだ、私。
そうだ、友達として、幼なじみとして大好きなんだよって言い訳する?
言ったばっかりならまだしも、今さらか。
連太郎もだいぶ飲んでたから忘れてくれないかな。

女子トイレのドアがノックされた。
いつまでもトイレを占領してるわけにはいかない。
しょうがない、平常心、平常心。酒の席の失言だったと忘れてしまえ。

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