炎のシークエンス
案内されたのは、連太郎の部屋だ。

「ほら、水。
悪かったよ、俺ちょっと余裕なくて」

冷蔵庫から持ってきてくれた水を飲んで、吐き気も落ち着いていく。

「……心春が俺のこと好きだなんて」

あ、しっかり覚えてた。
どうしよう。なんとかごまかさなきゃ。

「……酔って変なこと言ったけど、気にしないでよ。忘れて」
「心春が俺の心配してくれてるとか、俺のこと好きだとか。不意打ちすぎて。
マジでうれしすぎる」

うれしい?うざいじゃなくて?

だめだ、酔ってる頭は全然働かない。
しかも、連太郎が近い。

「近くに来ないで連太郎。私、クサイでしょ」
「全然くさくなんてないよ。心春のにおい好きだ」

好き。
連太郎の口から、好きの二文字。
とたんに胸が震える。
私、この言葉に飢えてる。においだろうが、なんだろうが、連太郎が私に好きと言ってくれた。

どうしよう、うれしい。
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