炎のシークエンス
「連太郎は大事な幼なじみだから。忘れたほうがお互い都合がいいでしょ?
連太郎はモテるし、理想のエッチな女の子と楽しんで」
「……それ、ヤキモチ?」
「ヤキモチなんて妬かない。カノジョじゃないし」

連太郎が私を好きだなんて、淡い期待が生まれてしまう。逃げられない二人きりの空間がひどく苦しい。

「桃子にめちゃくちゃ怒られた。心春にヤキモチ妬いて欲しいからってフラフラするなって。しかも女の子にとってムードが大事なのに、酔った勢いでなんてって。
だけどさ、俺がスーツ着てネクタイ締めておしゃれなレストランとか似合うわけねぇし。でも、心春はそういうのがいいんだよな」
「連太郎だって、本当は桃子のほうがいいのにね。お酒って怖いねぇ、気をつけなきゃね」

そう言って、私は自分の中に芽生えた期待の芽を摘んだつもりだった。
だけど、連太郎は訳がわからないとばかりに、首をかしげている。

「は?桃子?何言ってんだ」
「隠してるつもりだったんでしょ、大丈夫、私気づいてたよ、連太郎がずっと桃子のことが好きだったって」
「は?何がそう思わせてるんだ???」
「ごまかさなくっていい。連太郎、いつも桃子のこと目で追っててさ。うっかり一緒にいる私と目が合うとはにかんで笑って。
分かるよ、男の子ならだれでも桃子のこと好きになる」

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