炎のシークエンス
「私にカッコいいって思われたいから?」

「うん、我ながら単純だと思う。俺がずっと好きなのは心春だよ。
さっきだって、あのむかつく上司に好きな人がいるって言ってくれてさ。あぁ俺のことだって、めちゃくちゃうれしかったんだ。
それが、なんだよ……」

ずっと私、勘違いしてた?
連太郎は桃子じゃなくて、私に愛情を向けてくれていたの?

「わかった。これからは毎日言う。心春が大好きだって。ちゃんと、心春のところに帰ってくるから心配しないで怖がらずに待っててほしいって」
「連太郎……」
「恋人になってくれる……よな?」

連太郎と恋人。それでいいの?
自分の心に問う。

めちゃくちゃうれしい。だって連太郎がそばにいてくれると強くなれる。安心して私が私らしくいられる。
だけど。

「……足りない」
「え?」
「恋人じゃ足りない。私、連太郎とずっと一緒にいたい。仕事行くときに見送りたいし、帰ってきた時一番に会いたい。今日も無事だったって安心して抱きしめたい」
「……それってさ、もう結婚するしかないんじゃね?」

連太郎が私を好きでいてくれるなんて思ってもいなかったから、結婚なんて夢にさえ思っていなかった。
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