お昼寝御曹司とふたりだけの秘密



 涼本さんはどうしてわたしにキスしたんだろう?

 あれから部屋に帰って、買ったものを整理して、お互い今までと変わらずに過ごしていた。

 わたしは平静を装っていたけれど、涼本さんの方はいつもと変わらなかったような気がする。
 どうしてキスしたんですか?なんて、聞く勇気がなくて。涼本さんがなにを考えているのかわからない。

 二日経った今でも思い出すと、頬が熱くなってしまう。好きだから嫌なんて思わなかった。期待してしまいそうで……だけどこれはきっと片想いだ。

 涼本さんがわたしと同じ気持ちなんて、ありえない。
 そう言い聞かせながらわたしは、キッチンに立ってお弁当の準備をはじめた。

 昨日の仕事帰りにスーパーに寄って買い物をしてきた。お弁当なんて数回しか作ったことがないけれど、コンビニの雑誌コーナーで売られているレシピ本である程度予習したので、大丈夫だと思いたい。

 涼本さんにもついでに作ったと言って渡そうと思っている。
 簡単なおかずばかりで凝ったお弁当ではないけれど、お世話になっているお礼を少しずつ返していきたかった。

 日常のさりげない形で。
 いや、お弁当ってさりげなくないかも? もしかしなくても迷惑!?

 おかずを詰めながら不安になっていると、起きた涼本さんがリビングへとやってきた。

「おはよう。早いな」

「おはようございます。は、はい、今日はお弁当を作ってみたんです……涼本さんのもついでに作ったので、よかったら!」

 そう言ったわたしは、涼本さんにお弁当箱を見せた。
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