翠も甘いも噛み分けて
「翠!!」
その声の方向に顔を向けると、幸成が血相を変えて駆け寄ってくる。そうして幸成は浜田の腕を掴み上げた。浜田がひるんだ瞬間手の力が抜けたので、すかさず翠は浜田の手を振りほどき、幸成の背中にその身を隠した。
「お前、俺の彼女になにしやがる!!」
「はあ? 伊藤ちゃん、本当にこいつが彼氏なの? あの有名パティシエじゃんか……」
翠の手を握っていた浜田に興奮した幸成は、今にも浜田に殴りかかりそうなのを必死で堪えている。浜田は幸成の剣幕に圧倒されている。
「翠、大丈夫か? って、腕の色が変わってるじゃないか! てめえ、女の子相手になにしやがるんだよ! 今からお前の上司に、俺がこの目で見たことを言いあげるぞ」
幸成の言葉に、浜田の顔色が変わった。ここは通用口だ、偶然にもちょうどこの場所は、防犯カメラの映像が映っており、今のやり取りは全て録画されている。その画像を証拠に出されたら言い逃れはできない。それに気づいた翠は、幸成に防犯カメラの位置を指差した。
「あそこに動かぬ証拠もあることだし、今からここの社長か人事部の人間にアポ取ろうかな」
幸成はそう言うと、ポケットの中からスマホを取り出した。浜田は途端に言い訳を口にするも、あまりに身勝手な言い分に幸成は効く耳を持とうとしない。
その声の方向に顔を向けると、幸成が血相を変えて駆け寄ってくる。そうして幸成は浜田の腕を掴み上げた。浜田がひるんだ瞬間手の力が抜けたので、すかさず翠は浜田の手を振りほどき、幸成の背中にその身を隠した。
「お前、俺の彼女になにしやがる!!」
「はあ? 伊藤ちゃん、本当にこいつが彼氏なの? あの有名パティシエじゃんか……」
翠の手を握っていた浜田に興奮した幸成は、今にも浜田に殴りかかりそうなのを必死で堪えている。浜田は幸成の剣幕に圧倒されている。
「翠、大丈夫か? って、腕の色が変わってるじゃないか! てめえ、女の子相手になにしやがるんだよ! 今からお前の上司に、俺がこの目で見たことを言いあげるぞ」
幸成の言葉に、浜田の顔色が変わった。ここは通用口だ、偶然にもちょうどこの場所は、防犯カメラの映像が映っており、今のやり取りは全て録画されている。その画像を証拠に出されたら言い逃れはできない。それに気づいた翠は、幸成に防犯カメラの位置を指差した。
「あそこに動かぬ証拠もあることだし、今からここの社長か人事部の人間にアポ取ろうかな」
幸成はそう言うと、ポケットの中からスマホを取り出した。浜田は途端に言い訳を口にするも、あまりに身勝手な言い分に幸成は効く耳を持とうとしない。