天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 そうなのかな。

『莉子、あの人は莉子が好きだよ。それは信用してあげな』

 流樹はそう言ったけれど。
 啓介さんが、私を好きだなんて。

 やっぱり自信はないよ……。



 その日の夜、お好み焼きを食べながら啓介さんにビールを勧めた。

「私はほら、ノンアルコールを買ってあるの」

 母乳をあげなきゃいけないから私はアルコールを控えている。

「そうか。じゃあ飲もうかな」

 ホットプレートの上にはお好み焼きと焼きおにぎり。

 啓介さんはサトさんお手製の糠漬けをつまみながらビールを飲む。

 結婚当初は食事のメニューに悩んだ。

 私の知るセレブはレストランで食べるような食事を家でもしているから、彼もきっとそうだろうと思った。料理学校で習った通り、小鉢をたくさん使い上品な食卓を心がけた。

 なにを作っても美味しいと言って食べてくれたけれど心配で、あるとき聞いてみた。

『啓介さんは大学病院に勤務中、お昼になにを食べていたの?』

『店屋物が多かったかな。時間が経っても食べられるカツ丼とか?』

 外食するとしても近くのラーメン屋だったと言う。

< 122 / 286 >

この作品をシェア

pagetop