天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
 廊下を歩きながら考えたが選択肢はほかにない。私情を挟まなければ、真っ先に頼るのは脳神経外科医の島津啓介である。

 まず院長に内線を入れた。

「院長、新海先生の怪我、聞きました」

『ええ、今外科部長を呼んだところです』

「私、啓介さんにオペを頼んでみようと思います」

『えっ、そうですか! ありがとうございます。お願いします』

 息つく間もなく今度は啓介さんに電話をかける。

 なにも考えるな、優先すべきは患者さんの命だから。

 この前の懇親会で真知子先生から聞いた情報によれば、啓介さんは帰国後、結婚前に在籍していた大学病院の非常勤の勤務医になったという。

 現在は月曜の午前十時、今日が勤務の日なら、休憩中でないとスマホは見ないだろう。

 出なければメッセージを残すしかないが、どうか電話に出ますようにと祈る思いでスマホを耳にあてる。

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