天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
「そうね。変えたいところも特になかったから」

 必要なものしかなくてすっきりとしている故に掃除も楽だし、書庫に並ぶ本は初心者の私にもわかりやすいものが多い。

 そういえばと、ふと思った。彼は私のために厳選した本を並べておいてくれたのか?

「コーヒーメーカーも変わってないんだな」

「ええ。どこもなんともないし、このマシーンで淹れるコーヒーはおいしいから。コーヒー以外にも飲み物だけは充実しているけど、違うものにする?」

 変化があるとすればそれくらいだ。カフェオレやミルクティなどスティックタイプのインスタントが色々ある。

 でも、啓介さんはコーヒーを選ぶだろう。彼はフルーティーなモカをブラックで飲むのが好きだった。

「コーヒーを頼む」

「はい」

 予想は当たり。それだけでうれしくなる。

 啓介さんが設置したコーヒーメーカーをセットする。このマシーンは豆から挽くので、落とす前から香りを楽しめる。

 種類はもちろんモカ。好みがわかってないといいけれど。

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