天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
「うん。まぁ、でも俺がいなくても困る状況じゃないから、気にしなくていい」

 本当かな……。と心配になり、頼んでいる私が気にしても仕方ないと反省する。

「お待たせしました。ランプステーキのポワレでございます」

 思わず「おいしそう」と感嘆の声がでる。

 食べなくてもいいと思ったはずなのに、溢れるくらいの食欲が湧いてくる。

「目が輝いてるぞ」と啓介さんに笑われた。

「だって、とってもおいしそうでしょ?」

 ステーキをパクリと食べて、軽く睨むと、あははと笑う彼はフォークを手に取る。

 相変わらず素敵な笑顔だ。伏せた目もとの長いまつ毛に、高い鼻梁。薄っすらと微笑む口もとなにもかも、いつまでも見つめていたくなる。

 無駄にイケメンすぎるんだからと頭にくる。周りの女性客が瞳を輝かせて彼を見るから、なおさらだ。

 お皿にピクルスがあったら、仕返しにからかってあげたのに、マッシュポテトもソテーした根野菜も彼がすきそうなものばかり。

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