天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う



 そして無事にオペが済んだ。

 丸一日経ったが今のところ良好である。

 腫瘍も小さく好条件が重なっていた。その後の経過はまだ心配だが、おそらく後遺症もなく完治できる。

 薬で眠っている患者を確認し、ひと安心したところで院長室に向かった。

 その先にある理事長室に莉子はいるだろうが、彼女に会うのは最後でいい。

 院長室は例によって扉を開け放っていた。

「失礼します」

「あ、島津先生。こちらにどうぞおかけになってください」

 院長が相好を崩して勧める先には、昨日はなかったはずのデスクがある。

 院長室は理事長室ほどではないがそれなりに広い。昨日までは中心にゆったりと応接セットが置いてあったが、その応接セットが入り口近くに寄せてあり、院長のデスクは壁際に移動し、向かって窓を背にもうひとつデスクがあった。

「もしかして、用意してくださったんですか」

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