天才脳外科医はママになった政略妻に2度目の愛を誓う
彼女は最初に図書館を併設したのだ。学習室を設け山上で勤務する職員の子どものうち、未成年なら利用していいと門戸を広げ、一角に子ども食堂も作った。
「中学生や高校生も来て学習室で勉強できますし、食事もできるというのは本当にありがたいと、皆喜んでくれています」
俺はそこまで目が届かなかった。
「患者さんのご家族の農家の方々が野菜を分けてくれたり、フードドライブを利用したり、上手に運営されています」
「それはよかった」
山上の母娘ががんばっているという噂は莉子と会った懇親会で耳にしていた。特に現場を支える看護師の信頼が厚いと聞いていたが、ひよこ園の存在も大きいのだろう。
「お嬢さまは医師の資格を持っていないからと、随分気にしていたようですが、最近は乗り越えたようで生き生きと働いていらっしゃいます」
「ええ、溌剌と働いているように見えました。――再婚を考えているような話を聞きましたが」
ついでのように聞いてみた。どうしても気になる。相手の男についても。
「ああ」
院長が少し気まずそうな笑みを浮かべる。
「中学生や高校生も来て学習室で勉強できますし、食事もできるというのは本当にありがたいと、皆喜んでくれています」
俺はそこまで目が届かなかった。
「患者さんのご家族の農家の方々が野菜を分けてくれたり、フードドライブを利用したり、上手に運営されています」
「それはよかった」
山上の母娘ががんばっているという噂は莉子と会った懇親会で耳にしていた。特に現場を支える看護師の信頼が厚いと聞いていたが、ひよこ園の存在も大きいのだろう。
「お嬢さまは医師の資格を持っていないからと、随分気にしていたようですが、最近は乗り越えたようで生き生きと働いていらっしゃいます」
「ええ、溌剌と働いているように見えました。――再婚を考えているような話を聞きましたが」
ついでのように聞いてみた。どうしても気になる。相手の男についても。
「ああ」
院長が少し気まずそうな笑みを浮かべる。