妖の街で出会ったのは狐の少年でした

96話 縁ーえんー

オレは4月から本格的な保護管の活動をしてからもう3ヶ月。だんだん新しい生活にも慣れ、同僚、先輩達との関係も悪くはない。
「ジュン、上に報告しに行くぞ。
一緒に来い」
「はい、先輩」
活動内容は表には出ないものの、充実した日々を過ごしている。
(お、あったあった。)
頻度は落ちたもののナツキとの文通は続いている。今度帰れるのは夏に1週間くらいかな。
そん時はまた、4人で遊べるかな。
あの時の卒業写真は机の上に立てかけている。
最初は先輩たちからものすごく厳しく、罵倒に近い扱いだった。
やることといってもほぼ雑用だ。
やっても当たり前という態度が多々あり、精神的にキツくなりやめていった奴もいた。
オレも何度辞めようかと思ったことか。でもそんな気になりそうな時は写真を見て何のためにここにいるのかを見つめ直した。少しずつ小さな活動をラナ先輩と共に任せられるようになっり、今では先輩と良好な
関係を築いている。
「いーなー、ジュンは。ラナさんに可愛がられて」
「そんなことねぇよ」
オレと同室のリョウは嘆いている。
「いや、そんなことある。だって、オレが行くとすっげー睨むんだぜ」
ラナさん、オレ達の教育係だ。男勝りだが気配りができおまけに美人、らしい。
(オレはラナ先輩よりナツキの方がタイプ)
「オレも先輩にお近づきになりたい」
「お前、そんなこと考えてるからじゃねえの。」
「ジュンも近づきたいって思ってるんじゃないの、ん?なぁ、それなんだ?」
「お前と一緒にすんな、あ、これは」
リョウはオレの手にある手紙を指差す。
「ラブレターか!?」
「は?」
「羨ましい。ラナ先輩に可愛がられている上にラブレターとか、」
「ちが、」
勝手に決めつけて一人で落胆している。
なんかナツキに似てるな。
「違うって。学校の同級生だよ。」
「学校、あの写真の?」
リョウは机の上の写真を見る。
「ああ、卒業式の日に撮ったんだ。左からロク、カズハ、ナツキにオレ」
「ふーん、んでカズハって子から?ナツキにって子から?」
「なんでロクの可能性は考えないんだよ」
「え、まさか、むこう系?」
「はっ倒すぞ」
薮から棒な発言にオレは怒りを露わにする
「ロクもカズハもナツキもオレの親友だ」
「冗談だって」
オレに比べてリョウは戯けた。
オレはその態度に少しイラついたが
「ナツキから」
「手紙?」
「ああ」
「いいな、文通のできる相手がいて」
「まぁ、頻度は減ったけどな」
「大切にしろよ」
「言われなくとも」
オレの親友達とは何があっても縁を切らないつもりだ
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