火の力を持つ国王様は愛も熱い
表向き豊かなふりをしているライマーレにアクアを連れて行くのは正直今後の友好関係に響く可能性もあるけれど、シャーロットが行方不明という緊急事態にもうそんな事言っていられない。
最悪アクアとの関係の解消だってありえるけれど、今はシャーロットの安否が大事だ。
ライマーレへ着いて、お城へ行くと両親は大慌てで私とアクアを一番整っている王座へ通した。
「…ライマーレの国内寂れてて驚いたでしょ、アヴァンカルドみたいに豊かじゃないの」
「そんな事ないよ、うちの国とは雰囲気が違うだけで立派な街並みじゃないか。それよりシャーロット様を含めた失踪事件の方が今は心配だ」
すると、両親が急いで王座の間へとやってくる。
「二人揃って突然どうしたんだ?」
平然を装っているけれど、二人とも目の下にはクマが出来ていて疲弊しているように見えた。
恐らく、ライマーレの捜索隊は人が足りていないから二人も寝る間を惜しんで捜索しているようだ。
「どうしたじゃないよ!シャーロットの事聞いて来たの!」
「突然の訪問申し訳ございません。私もシャーロット様含む王族の方の安否が心配です。うちの国からも捜索隊を派遣させて頂きたくライマーレ近隣含む国内の捜索の許可を頂きたいのですが…」
「それはありがたい申し出だが…こちらの国の問題に巻き込むわけには…」
「お父様!こんな事してる間にシャーロットが危険な目に遭ってるかもしれないじゃない!お願いだから協力してもらおうよ」
「むむ……アクア様、申し訳ございませんが……娘の捜査に御協力して頂いても…?」
「勿論です、すぐに手配致します。あと王族の方が狙われている可能性が高いです、ライマーレの王族の方は絶対に単独行動されないようお気を付けください」
アクアは捜索隊の派遣の為アヴァンカルドへすぐに戻る事になった。
「すぐに迎えに来るから俺が戻るまでルーナは絶対一人にならないよう約束して」
アクアは私の手を握ってそう言って城下町の門を出発しようとした時だ。
ザイールが目を押さえながら血だらけで戻ってきて急いで駆け寄る。
「ザイール!大丈夫!?何があったの!?」
「クソッ…俺が……フォース無しにやられるなんて……ハァハァ…」
アクアは私達の前に立って辺りを見渡す。
「まだ近くに犯人がいるかもしれない」
「いや…ハァハァ……電流浴びせて何とか逃げてきた……でも……クソッ……片目を盗られた」
ザイールは拳で地面を殴る。
「え……?目?」
「訳わかんねぇよ……奴ら、多分近隣の国の奴らじゃない…持ち物には全く手を付けずに、押さえ付けて俺の目を……ルーナも気を付けろ…狙われるかもしれない」
医療班が駆けつけてきてザイールに緊急の処置を施す。
「目……あぁ、そうか…そんな…そんな迷信を信じる野蛮な奴らがいるなんて…」
アクアは何かを悟ったようだ。
「アクア?何か知ってるの?」
「憶測の話だけど、前にルーナの瞳の色について調べた時に本に載ってたんだ。ライマーレの王族に多くいるゴールデンイエローの瞳はとても希少な瞳の色で、その瞳は富をもたらすと言われているんだ。かつて、その瞳のご利益を得られるその瞳は高価な値で取引をされていて乱獲をする者達もいたそうだ…恐らく、その迷信を信じている者達がライマーレの王族を狙って…」
「そんなっ…」
「クッ……今のライマーレの王族の雷の力では自分を守れない…総数はわからないが、あんな野蛮な奴らが一斉にここを攻めて来たら…」
「ライマーレは我が国が守ります、至急うちの兵を連れてまいりますので城門の守りを固めて王族の方々は皆城内に避難するよう伝えてください、ザイール様も安全な場所で治療を」
アクアはそう言って馬に跨る。
「アクア…一人で戻るのは危ないよ、やっぱりうちから使い出すから」
「大丈夫、俺のフォースはいざとなれば戦えるから…すぐに戻るから二人は早く安全なところへ」
アクアはそう言って馬を走らせた。